2020.3.25 知識
男女で違う薄毛お悩み!性別を意識した原因と対策!【男性編】
「薄毛のお悩み」と一言で言っても男性と女性とで現れてくる症状は異なります。薄毛要因としても共通するものもあれば、男性には(あるいは女性には)該当しにくいものなどもあります。
これらをまとめて「薄毛対策はこれ!」とご紹介するのは無理がありますので、男性と女性の薄毛症状を整理しながら、それぞれの原因と対策について考えてみたいと思います。
薄毛をもたらす要因は実に様々…
抜け毛や薄毛をもたらす要因には様々なものがあります。ざっと見ただけでも「どれが自分に当てはまっているのか…」、「全て対策しなければならないのか…」、「だとすれば、どこから手を付ければ良いのか…」など、対策に困るかもしれません。
薄毛をもたらす要因
- 男性ホルモンがもたらす髪の発育妨害
- 食生活の乱れ(栄養面の不足)
- 不規則な睡眠習慣(成長ホルモン分泌量の影響)
- 不適切な頭皮ケアやシャンプー習慣(頭皮環境の乾燥)
- ホルモンバランスの乱れ、もしくは減少
- ストレスがもたらす毛細血管の収縮
- 運動不足による代謝や血流の滞り
これらは男女の性別によってある程度自分にフィットしている要因なのかどうかを仕分けることができます。別の言い方をすれば、「薄毛をもたらす要因は男女によって少し異なっている面がある」ということです。
たとえば「遺伝的要因が色濃く働く薄毛」は男性に起こりやすいAGAであり、女性の場合には男性ほど顕著な薄毛傾向をもたらしません(女性の場合には複合的な薄毛要因の一つとして遺伝傾向が含まれるケースがあるというレベルです)。
「どれが自分の薄毛の大きな原因になっているのか?」を知れば、無駄の少ない効率の良い薄毛対策ができます。「男女で違う薄毛お悩み 性別を意識した原因と対策!」の前編として、本編では男性に的を絞った薄毛の原因と対策をご紹介します。
【男性の薄毛】原因とメカニズム
男性の薄毛お悩みの多くを占めるのが「男性型脱毛症(AGA)」です。AGAはAndrogenetic Alopeciaの略語であり、意味としては「アンドロゲン(男性ホルモン)にまつわる脱毛症状」ということになります。このことから、男性の薄毛要因の核には「男性ホルモンがもたらす髪の発育妨害」があると考えることができます。
男性の薄毛症状でダントツに強力な要因
男性ホルモンがもたらす髪の発育妨害
先にご紹介した薄毛要因の中で、「男性ホルモンがもたらす髪の発育妨害」以外に関しては、男性にとって幾分影響力が低いものという見方ができます。
もちろん、気にする必要のないものでは決してありませんが、影響度の強さと言う意味では上記のものと下記のものでは大きな隔たりがあるとお考えいただけます。
男性の薄毛症状に間接的な悪影響をもたらすもの
- 食生活の乱れ(栄養面の不足)
- 不規則な睡眠習慣(成長ホルモン分泌量の影響)
- 不適切な頭皮ケアやシャンプー習慣(頭皮環境の乾燥)
- ホルモンバランスの乱れ、もしくは減少
- ストレスがもたらす毛細血管の収縮
- 運動不足による代謝や血流の滞り
なお、先に挙げたものの中にある「ホルモンバランスの乱れ、もしくは減少」については、基本的に女性の薄毛要因に該当するものとお考えください。「ホルモンバランスの乱れ」という表現は2つの代表的な女性ホルモン「エストロゲン」と「プロゲステロン」の分泌バランスを指すのが普通です。
男性の更年期障害などの要因で指摘される場合には「男性ホルモンの低下」という表現が使われます。このため、ここでは「ホルモンバランスの乱れ、もしくは減少」を除外しています。
※男性の場合20歳以降が「毛髪の太さピーク」という事情はございますので、加齢の影響ももちろん出てくるという点は知識としてお持ちください。
「男性ホルモン」が薄毛をもたらしてしまうメカニズム
「なぜ男性ホルモンが髪の発育妨害(薄毛化)を引き起こしてしまうのか?」というと、本来プラスに作用する「テストステロン」と呼ばれる男性ホルモンが頭皮上の毛乳頭付近に存在する「5αリダクターゼ」という還元酵素と結びついてしまって、「ジヒドロテストステロン(DHT)」と呼ばれる悪玉男性ホルモンに生まれ変わってしまうためです。
薄毛化をもたらすメカニズム ステップ1
テストステロン + 5αリダクターゼ(還元酵素) …→ ジヒドロテストステロン(DHT)が産出
「テストステロン」の大部分は精巣で作られ血流に乗って全身を巡っていますが、テストステロン自体が髪に悪さをしているのではなく、テストステロンが代謝してしまった(変化させられてしまった)「ジヒドロテストステロン(DHT)」が髪のヘアサイクルにマイナスの影響をもたらしてしまうのです。
薄毛化をもたらすメカニズム ステップ2
ジヒドロテストステロン(DHT) ← アンドロゲンレセプターがキャッチ …→ 脱毛因子「TGF-β」の誕生
産出されてしまったDHTについては、これがストレートに毛根に攻撃を加えていくわけではありません。
アンドロゲンレセプターがDHTの影響を適切に受け止めてしまうことにより脱毛因子「TGF-β」が誕生し、これがヘアサイクルに攻撃を加えるという流れになっています(このアンドロゲンレセプターの感度の高さも遺伝的な情報として受け継がれるということがわかっています)。
薄毛化をもたらすメカニズム ステップ3
脱毛因子「TGF-β」が毛根に攻撃 → ヘアサイクルの「成長期」が極端に短くなり「軟毛化」が進む
健康な人の毛髪のヘアサイクルは、一般的に「成長期(2年~6年)→退行期(2週間)→休止期(3~4ヶ月)」のようなサイクルで、1つの毛根に付き生涯15回~20回程度生え変わる(このリズムが繰り返される)と言われています。
ところが、前頭部や頭頂部でDHTが産出され、この影響力をアンドロゲンレセプターがしっかりと受容してしまい脱毛因子の「TGF-β」が生まれてくると、ヘアサイクル上の「成長期」はわずか数ヶ月程度にまで短縮させられてしまうと言われています。
ヘアサイクルが短縮したからと言って、別の毛根が「そういうことならこちらで…」と早めに活動を開始してくれるわけではありません。
このため必然的に毛髪の全体ボリュームは衰えていき、生えている毛もあまり太くならないため透け感がもたらされてしまいます。
男性に多いAGAはこのようなプロセスを辿るものなので、最初のステップで遺伝傾向によってもたらされる「DHTの産出」を抑制することが治療のカギになっています。
逆に言うと、間接的な影響としてご紹介した種々の生活習慣については、改善した場合でも効果のほどはある程度限定されてしまうということになります。
【男性の薄毛】効果的な治療法
「男性型脱毛症(AGA)」の治療では、まず本質的な要因として薄毛患者さまに備わっている遺伝傾向をいかにして緩和するかが大切になってきます。
内服治療で用いられるAGA治療薬には大きく2種類のものがあり、「DHTの産出量抑制に寄与するもの」と、「血流改善によって髪が成長しやすい環境を作り上げるもの」とに分けられます。
2種類の内服治療薬で対処するのが効果的!
どちらの治療薬の方が効くとは一概には言えませんが、まずはDHTの産出量を抑える働きのある「プロペシア(フィナステリド)」を服用いただき、テストステロンと5αリダクターゼの結合を抑制してDHTの産出量を抑えることが大切になると言えるでしょう。
この上で血管拡張作用のある「ミノキシジル内服薬」を併せていけば、適切な発毛力を回復しやすくなります。当院ではこのような治療薬の特性をもとに男性の薄毛症状の本質的な要因を捉え、個々の患者さまの頭皮環境に合わせたオーダーメイド治療薬をご提供しています。
「プロペシア」と「ミノキシジル」を適切に配合してしっかりと発毛力が回復できるようにサポートさせていただいております。
お気軽に「無料カウンセリング」にてご相談を
当院では、男性女性それぞれの薄毛お悩みに対して専門家による「無料カウンセリング」をご用意しています。男性のAGAだけでなく、「円形脱毛症」など性別に関わらない脱毛症状についても対応いたしますので、お気軽に「無料カウンセリング」をご活用ください。
「女性編」については次のコラムにてご紹介します
当コラムでは「男性編」として男性の薄毛症状の原因や薄毛メカニズム、治療法の概要などについてご紹介しました。「女性編」についても重なる点や異なる点があり、参考にできるケースもあるかもしれません。ご興味をお持ちの際は引き続き「女性編」もご参照ください。