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育毛シャンプーで毛は生える?効果や効能について解説

育毛シャンプー

シャンプーと抜け毛。頭を洗っていると、ついつい抜け落ちていく髪の量が気になります。「いっそのこと、シャンプーで抜け毛が予防できたらな…」とお考えの方も多いと思います。事実、「育毛シャンプー」は薬局で手軽に購入できる時代です。

でも、「果たして薄毛に対して育毛シャンプーは効果があるの?」このようにもお感じかもしれません。ここでは、そんな方の疑問にお答えすべく、薄毛とシャンプーの関係、シャンプーの成分(界面活性剤)の違い、育毛シャンプーの効果について解説させていただきます。


薄毛とシャンプーの関係性

薄毛とシャンプーの関係

基本的に、抜け毛とシャンプーに直接的な因果関係はありません。というのも毛が抜ける原因の本質は「男性ホルモン」の影響による「ヘアサイクルの乱れ」だからです。とは言え、間接的な部分で影響を与えることはあります。例えば「洗い方」や「シャンプーそのものの違い」によって、頭皮環境を良くない状態にさせてしまうことがあるからです。

では、育毛シャンプーについて考える前に、まず、薄毛への配慮も含め、シャンプーで気をつけておくべきポイントを以下に挙げさせていただきます。


洗い方への配慮

髪を洗う時のお湯の温度も頭皮環境に影響をもたらします。熱過ぎるお湯は、頭皮の皮脂やうるおいを必要以上位に落としてしまい、地肌の乾燥を招きやすくしてしまいます。熱過ぎず、ぬる過ぎない理想的な温度とされるのが「38℃前後」です。頭皮が乾燥すると、フケなどを生じやすくなりますので、意識してコントロールしておきたいものです。


洗う時のお湯の温度に配慮

「頭皮をマッサージ」するように、「指の腹で優しく洗う」ことが理想です。ちょうど美容院で優しく洗ってもらっている場面をイメージしてください。男性であれば、爪を立ててゴシゴシ洗う習慣から抜けられていない場合もありますが、必要以上に爪を立てて地肌を傷つけてしまわないように配慮することが大切です。


シャンプーの使用量に配慮

シャンプーがなかなか泡立たないことを理由に、何度もシャンプーの原液を頭皮にかけてしまう場合があると思いますが、これも決して良くありません。このような場合は、まずシャンプーを使う前に一度お湯で頭皮を軽くマッサージしながら洗ってください。こうすると、シャンプーは少ない量でも泡立ちやすくなり、過度なシャンプーで必要以上に脂分を落としすぎてしまうことを防止できます。


すすぎの方がむしろ大切

シャンプーが原因で頭皮にトラブルを抱える場合、その多くは「シャンプー後のすすぎが不十分」であることが原因です。シャンプーには頭皮の脂分を落とす作用がありますが、シャンプー自体を綺麗に流し切れていない場合、残ったシャンプーが逆に毛穴付近の汚れを生み出してしまいます。これは毛の発育自体にも悪影響を及ぼしますので、シャンプーの際は必ず「きっちりとすすぐこと」を心がけてください。


毎日二度のシャンプーはNG

1回のシャンプーの使用量とも関係ありますが、毎日何度もシャンプーをすることも同様に良くありません。特に「寝る前にシャンプー」「朝起きて出かける前にシャンプー」という方もおられるでしょうが、このような場合であれば、朝はぬるま湯で髪を洗う程度にしておくことをお勧めします。必要以上に頭皮の脂分が失われると、頭皮の乾燥を招いたり、かえって過剰に脂分が分泌され、頭皮環境が正常に保てなくなってしまいます。


チェック

ここまで来て、ようやく「どのシャンプーを使うのか」という前提条件ができたように思います。言い方を替えると、①から⑤までを配慮した洗髪が習慣付いた上で、育毛シャンプーについては検討してみる意味があると言えます。それでは、育毛シャンプーの本質に迫ってみたいと思います。


育毛シャンプーで毛は生える?

育毛シャンプーで毛は生えるか

育毛シャンプーで毛が生えることはありません

育毛シャンプーと聞くと、いかにも髪が生えてきそうな印象をもってしまいますが、元々毛を生やすシャンプーなどというものは聞いたことがありません。あくまでもシャンプーは髪や頭皮の汚れを取り、頭髪や頭皮を清潔に保つものです。では、なぜ育毛シャンプーと言われるのかというと、育毛シャンプーは他のシャンプーと比較して「髪の発育が阻害されないように頭皮環境を整えやすくできる」からです。

実際、必要以上に頭皮の皮脂を奪い去ってしまわないように、育毛シャンプーはその成分面で配慮されています。アミノ酸などの「天然の植物成分」を配合しているものも多く、化学薬品があまり含まれていない「界面活性剤」が使われていることが多いのが特徴です。


界面活性剤って良いもの?悪いもの?

界面活性剤

「界面活性剤」はどんなシャンプーにも必要なもの

「界面活性剤」とは、洗濯や食器洗いの洗剤、石鹸などにも使われ、汚れを落とすためには不可欠な成分です。通常分離するはずの「油」と「水」を混ざり合わせることができる「乳化作用」があることから、髪の汚れや頭皮の脂分を浮かせて落とすことができます(「乳化作用」と呼ぶのは、牛乳は自然な状態で油分=乳脂肪と水が混じり合ったものだからです)。よって、「界面活性剤」自体が良い悪いではありません。その種類の方について考えることが大切です。


界面活性剤の種類に着目しよう

界面活性剤には、「高級アルコール系」や「アミノ酸系」、「石鹸系」などの種類があります。ここでは、一般のシャンプーに多い「高級アルコール系界面活性剤」と育毛チャンプ―などに配合されやすい「アミノ酸系界面活性剤」について、簡単に違いをご説明いたします。


高級アルコール系界面活性剤

市販のシャンプーの多くは「高級アルコール系界面活性剤」が主な洗浄成分となっています。高級と聞くと良い印象を抱いてしまいますが、これは安価に作れることもあり、皮脂を必要以上に洗い流してしまい、頭皮のバリア機能にダメージをもたらしてしまうリスクがあります。

成分表に表記されている「ラウリル硫酸Na」「ラウレス硫酸Na」などがこういった「高級アルコール系の界面活性剤」に該当するもので、強い洗浄力にこだわりがある方には良いのですが、頭皮の環境を考えていくと、あまり理想的なものとは言えません。


アミノ酸系界面活性剤

「アミノ酸系界面活性剤」は、文字通りアミノ酸系の成分で作られており、頭皮環境に優しいものと言えるでしょう。元々、筋肉や血管、爪、皮膚なども細胞の主なところは「たんぱく質」とされています。そして、このタンパク質はアミノ酸と呼ばれる分子が繋がってできたものです。よって「アミノ酸系界面活性剤」であれば、頭皮にも違和感なく馴染むということが言えます。

保湿性にも富み、低刺激なので、頭皮や髪を必要以上に傷めずに済みます。ただし、どうしても相対的な洗浄力は落ちるということが考えられます。また泡立ちは低くなります。「育毛シャンプー」は、どちらかというとこのような「皮脂の行き過ぎた洗浄」を抑えることに配慮していますので、多くの育毛シャンプーが「アミノ酸系界面活性剤」を採用しています。

成分表に「ココイルメチルアラニンNa」、「ココイルグルタミン酸Na」、「ラウロイルグルタミン酸Na」、「ラウロイルメチルアラニンNa」などと表記されるものが、代表的な「アミノ酸系界面活性剤」になります。直接アミノ酸成分配合と謳っているものも増えてきています。


育毛シャンプーの目的は頭皮環境の正常化

頭皮環境の正常化

頭皮に皮脂は必要

頭皮は皮脂膜によって覆われています。皮脂がなければ頭皮は無防備な状態となり、頭皮の水分も直ぐに蒸発して頭皮がカサカサに乾燥してしまいます。カサカサな状態が良くないのは、乾燥肌という言葉を思い浮かべれば良くわかると思います。


抜け毛を予防したいのであれば使うに越したことはない

あくまでも発毛や育毛の効果があるわけではなく、「頭皮環境の正常化」を目的として作られているものが「育毛シャンプー」です。必要以上に皮脂を奪い去らない配慮は、抜け毛を減らしたいと考える方であれば確かに大切なことです。ですので、現実的には必要以上に「育毛」や「発毛」に期待せずに、「まずは頭皮環境を守ろう」という感覚でご利用いただければと思います。


大切なのはヘアサイクル!

ヘアサイクル

薄毛の原因はヘアサイクルの乱れ

髪が適切に育たずに早々と抜け落ちてしまうのは、本質的にヘアサイクルが乱れていることに因ります。「生えてこないからハゲる」というよりは、まだ抜け落ちずに育つべきだった髪が「ヘアサイクルの乱れ」で早々に抜け落ちてしまうことによって起こるのです。


ヘアサイクルの乱れは男性ホルモンの影響

この「ヘアサイクルの乱れ」を引き起こす主な原因は、男性ホルモンの影響が知られています。本来、男性を男性らしく保つ男性ホルモンの「テストステロン」が、額や頭頂部周辺の毛根で生成されやすい還元酵素「Ⅱ型5αリアクターゼ」」と結びついて、悪玉の男性ホルモンとなってしまい(これをDHT=ジヒドロテストステロンと呼びます)、髪の本来のヘアサイクルを乱してしまいます。

通常、髪1本1本は2年から6年間の生涯があるとされますが、このDHTの影響に因り、髪1本1本の生涯を全うできずに、それ以前に抜け落ちていってしまうのです。毛根奥で髪を育てている「毛母細胞」としても、予定外に先に抜け落ちていったからと言って、「じゃあまた急いで1本作ろうか」というわけにもいかないため、結果として薄毛やハゲを引き起こしてしまいます。


育毛シャンプーはフォロー役に過ぎない

よって、この記事のテーマで取り扱っている「育毛シャンプー」については、あくまでも抜本的な「抜け毛」の予防策にはなりません。逆に言うと、二次的な要因(不健全な頭皮環境)で髪の脱毛をさらに悪化させている場合、これらをフォローするという役割を果たしてくれます。このため、現実的に薄毛やハゲの症状を改善させようと思うのであれば、やはり医学的見地に立った治療(処方薬)がお勧めということになります。


当クリニックにご相談ください!

ご相談ください

身近に手に取れる「育毛シャンプー」は、一見抜け毛の予防に強く働きかけてくれそうに映りますが、抜け毛のメカニズムを医学的に考えていくと、あくまでもその役目は「頭皮環境の正常化」の域を脱しません。

薄毛が進行する背景には、頭皮環境の状態以外にも、ストレス、食生活での乱れた栄養バランス、運動不足、慢性的な睡眠不足があることなども考えられます。また第一義的に、男性ホルモンの影響(遺伝的な側面も含む)が大きく関係しています。この一番の根源、男性ホルモンの影響面で大きく効果を上げることができるものが、当クリニックでも処方させていただいている治療薬「フィナステリド」と「ミノキシジル」です。

これらはAGA(男性型脱毛症)に効果的な治療薬として、その効果を認めているものです。本気で薄毛対策を目指すのであれば、当クリニックを訪れていただき、お早めに現実的な手段を講じることをお勧めします。どうぞお気軽にご相談ください。