2019.8.7 悩み
薄毛につながる頭皮の痒み
頭皮のかゆみは何によってもたらされるのでしょうか。汚れの付着による雑菌の繁殖以外にも、様々な理由で頭皮環境が悪化してかゆみがもたらされているケースが少なくありません。頭皮がかゆいと物事に集中しにくくなり、掻きむしることでフケのようなカスが落ちてしまうケースもあります。頭皮のかゆみ原因について考え、その対策をご紹介いたします。
頭皮がかゆい時に考えられる原因
頭皮のかゆみについては、いくつかの原因が考えられます。比較的多く見られる「かゆみ症状」の背景事情について解説いたします。
洗髪上の問題
汚れが溜まった状態のまま放置すると皮膚の常在菌の温床となり、かゆみが発生する可能性があります。このため「洗髪」が大切なのですが、人によっては1日に複数回シャンプーするような場合があるかもしれません。
シャンプーのやり過ぎは頭皮環境を悪化!
1日に複数回の洗髪(シャンプー)は、頭皮の皮脂不足を招き乾燥をもたらします。これはバリア機能の低下につながり、ちょっとした刺激にも過敏になりやすくなってしまいます。また、私たちの身体は皮脂が足りない場合、皮脂分泌を盛んにして皮脂を補おうとします。これによって一時的に皮脂は保管されますが、ようやく皮脂が補われたときに再びシャンプーをしてしまうと、また皮脂不足を招き、更なる皮脂分泌という悪循環に陥ります。
シャンプーを必要以上にしすぎていると、このように頭皮環境は常に「皮脂不足」か「過剰分泌」の状態になり、これが繰り返されることで乾燥肌なのか脂性なのかよくわからない状態に陥りがちです。皮膚のバリア機能が非常に不安定な状態になってしまい、外部刺激に敏感でかゆみを感じやすい状態になってしまいます。
シャンプーは1日1回にしよう!
基本事項としてシャンプーは1日1回に抑えるようにしましょう。朝シャンプーをして寝癖をリセットしてから髪を整える習慣のある人は、朝の洗髪時にはシャンプーを使わないようにするか、低刺激のシャンプーに変えてシャンプーの量を減らすなどの対策を立てましょう。一般市販されている安価なシャンプーについては必要な皮脂まで奪いすぎてしまう傾向がありますので、洗浄力の強さには注意しましょう。
不十分な濯ぎ(洗い流し)も要注意
洗髪の際に大切なのは、優しく指の腹で頭皮を揉みこむように洗うことですが、同時に洗い流しをしっかりと行なうことを忘れてはいけません。小学生のころ「家に帰るまでが遠足」と言われていたように、「流しきるまでが洗髪」だと意識しましょう。シャンプーやコンディショナーは、そのまま髪に残していると頭皮に良くありません。しっかりと濯いで頭皮トラブルに繋がらないように心がけてください。
パーマやヘアカラーなどの影響
必要以上にパーマやヘアカラーを当てていると、頭皮環境が理想的な状態から遠ざかっていきます。頭皮や毛髪は弱酸性(pH4~6程度)が良いのですが、色を付けたりパーマのような癖を作る場合には髪のキューティクルを開く必要があり、薬剤の力で毛髪をアルカリ性に傾けます。パーマの薬剤でpH9程度、ヘアカラだと数値が高いものでph10くらいに傾く薬剤もあります。
男性で「髪のボリューム」が気になりだしたり「白髪」が増えてくると、定期的にパーマや白髪染めをする場合もあると思います。過度に調整すると毛髪自体にダメージが及び切れ毛や抜け毛が増えてしまい、頭皮自体も外的刺激に弱くなってしまいます。この結果として、かゆみや皮膚トラブルをもたらしてしまう可能性があるのです。
パーマやヘアカラーは必要最小限度に!
パーマやヘアカラーなどの身だしなみについては、外に働きに出ている場合にはやはり気に掛けなければならないケースもあります。特に販売職や営業職についている場合には、職務成果に影響を与える可能性もあるため、ある程度のケアは不可欠になります。
ですが、たとえば「髪のボリューム低下」に対する処置としてパーマを選んでいるのであれば、毛量の少なさが気になりにくいヘアデザインに変えてみたり、薄くなってきた毛髪をお薬の力でフォローしていくような手段もございます。
薄毛対策としてパーマを繰り返してしまうと、更に切れ毛や抜け毛を助長してしまう可能性もありますので、別アングルからの対策として当院のようなクリニックでご相談になってみてはいかがでしょうか。専門医が個別に最適なソリューションをご提案いたします。
空調などの生活環境や運動不足
エアコンを多用したり、そのようなオフィス環境で生活していると、相対的に頭皮が乾燥しやすくなってしまいます。乾燥したお肌は外的刺激に敏感になりますので、ちょっとしたことでかゆみを感じやすくなってしまいます。また、たとえばクーラーの効いた部屋に長時間居続け、日常的に「運動すること」から遠ざかっていると全身の循環機能で悪い影響が生じます。頭皮に関して言えば、毛細血管への血流が滞りやすくなり、髪が育ちにくい土壌となります。
日常的に運動習慣を取り入れよう!
夏場のエアコン使用に関しては、健康上も重要なものだと言われています。このため、適度に使用することは大切ですが、必要以上にエアコンの効いた部屋に居続けたり、その快適さにあぐらをかいて運動から遠ざかってしまわないように気を付けましょう。血行を良くするものとしては、「洗髪時の頭皮マッサージ」や全身運動としての「ウォーキング」などをおススメします。できる範囲で何かしらの運動習慣をお取り入れください。
アレルギー症状や皮膚の炎症
頭皮のかゆみは生活習慣だけではなく、元々の肌体質によってもたらされるケースもあります。たとえばアトピー性皮膚炎の患者さまなどは、一般の人と比較してお肌が乾燥しやすく日常的にかゆみを感じやすい体質となっています。また、頭皮に生じやすい皮膚疾患としては「脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)」や「乾癬(かんせん)」「頭皮白癬(しらくも)」などもございます。いずれの場合も頭皮上でかゆみがもたらされ、前述したような生活習慣とは別の原因があったり、肌体質上そうなりやすい可能性なども考えられます。
異常なかゆみや炎症は専門医に相談を!
頭皮上に現れるアレルギー性疾患や皮膚の炎症は、生活習慣や肌体質などが複雑に絡み合った結果と考えられることが多いです。なかなか治りにくい傾向があり、誤った処置で悪化する可能性も否定できません。安易に自己対処するのではなく、皮膚科などの専門医に相談するようにしましょう。放置することで、皮膚疾患から脱毛症に繋がってしまうケースもあります。
無駄に「頭皮のかゆみ」をもたらさないために…
頭皮上のかゆみは、その発生原因によって対策が異なります。一般的にはヘアケアのあり方が発端になっていることが多く、前述したような対策で改善できるケースも多いです。また、既にご紹介した「かゆみ要因」以外にも生活習慣が複合的に絡み合って頭皮環境を悪化させているケースも考えられます。
生活習慣の改善で「かゆみ対策」と「抜け毛予防」を!
頭皮環境を快適に保つための生活習慣について、基本的なポイントを整理しておきましょう。
見直したい生活習慣(頭皮のかゆみと抜け毛の予防のために)
「適切な睡眠習慣」を確保する
質の高い睡眠は「頭皮環境の正常化」に寄与し、髪の発毛力を後押しします。特に睡眠時間の量というよりも、眠り初めの3~4時間程度を邪魔されないようにすることが大切だと言われています。
「ストレス解消法」を身につける
ストレスの完全回避は現代社会では不可能です。ストレスは当然生じるものだと理解し、趣味などで解消法を身につけておくことが大切です。
「食生活」を見直す
暴飲暴食やスナック菓子の過剰摂取、ファストフードなどの常用は毛髪や頭皮環境に良くありません。毛髪や頭皮に良い栄養素としては、髪の主成分である「タンパク質」、そして「亜鉛」や「ビタミン類」が重要だと言われています。これらを意識しながら偏りのない食生活を心掛けてください。
「運動習慣」を確保する
あまり疲労感が残るようなものではなく、軽いジョギングや既にご紹介したウォーキング、あるいはヨガなども良いかもしれません。細胞の活性化には一定の刺激が必要になりますので無理のない範囲で運動習慣をお取り入れください。
「ヘアケア」の在り方を見直す
既にご紹介したように、「洗いすぎ」や「不十分な濯ぎ」にご注意ください。スタイリング剤のつけすぎや、髪を乾かす際にドライヤーを当てすぎるのも良くありません。行き過ぎたケアがトラブルを招いてしまう可能性がありますので、必要範囲のヘアケアで正しく対策するように心がけましょう。
抜け毛や薄毛のトラブルは、専門のクリニックにご相談を!
当コラムでは、頭皮のかゆみを中心に原因や対策をご紹介しました。これ以外にも頭皮トラブルとしては「薄毛」や「抜け毛のお悩み」が考えられます。また、掻きむしってしまうことで抜け毛が増えてしまうようなケースもあります。
お気軽に「無料カウンセリング」へ
「男性型脱毛症(AGA)」や女性版の「女性男性型脱毛症(FAGA)」、あるいは「びまん性脱毛症」などについては、医学的に有効なお薬によって症状を緩和することが可能です。当院は随時「無料カウンセリング」を実施していますので、お気軽にご相談ください。専門医が個々の患者さまに最適なアドバイスとご提案をさせていただきます。