2019.6.4 悩み
【抜け毛の原因】チェックと対策方法
シャンプーをしていると、なんだか抜け毛が増えたんじゃないかと気になることもあるかと思います。他の人の抜け毛の量を確認することもできないことから、なかなか自分の髪の抜け毛の量が適量かどうか判断できないものです。ここでは、このような疑問点を解消すべく、抜け毛のいろはとして「平均的な抜け毛の量」、「抜けやすい季節」、「抜けやすくなってしまう要因」などを整理して考え、実際に効果の出せる対策についてもご案内しています。
「抜け毛の本数」と「抜け毛が増える時期」を考える
髪の毛は毎日どれくらい抜けるもの?(抜け毛の平均)
50本から100本以内くらいが一般的と言われています。ただし、次項で述べるように、季節などにより抜ける量も増減します。そしてもちろん人によっても個人差があります。それでも300本、400本と抜けているような状態だと正常とは言いにくいかもしれません。気になった場合は、早めに専門医を受診するようにしてください。
抜け毛が増える季節って?(抜け毛の時期)
「夏から秋」が一般的
夏から秋にかけては抜け毛の量は増えると言われています。月で言うと、7月、8月、9月辺りの季節の変わり目です。この理由としては、夏の紫外線量が影響していると考えられます。
その理由は?
一般的には、春先から夏に向かうにつれて髪の伸びるスピードは速くなるのですが、これは髪を増やすことで頭皮を紫外線から守ろうとする作用だと判断できます。ところが夏の終わりくらいになると、強烈な紫外線のダメージの蓄積もあり、どうしても抜け毛の量が多くなるのです。また気候の直接的な影響だけではなく、間接的にも夏バテにより食生活が乱れたり、寝苦しい日々のため適切な睡眠を確保できず、結果的にホルモンの分泌や新陳代謝に悪影響を及ぼすことも考えられます。
「春に抜けやすい」場合もある?
春は引越しや入学、入社、部署の異動など、何かと生活環境の変化が起こりやすい時期です。これに伴い、これまでの食生活が変化したり、ストレスを受けることが増えたりと髪の発育にも良くない出来事が重なりがちです。このような影響もあり、一時的にこの時期に抜け毛が増える場合もあります。
1日100本超え!! ハゲる前兆なの?
100本を超える抜け毛があったとしても、それが必ずしもハゲを招くとは限りません。上述のとおり、「人により抜ける本数がまちまちである」こと、また「季節によっても抜け毛が増える時期がある」ことなど、抜け毛の量も様々な要因で変化します。本数のみに拘る必要はありません。
どちらかと言えば、普段の自分の抜け毛の量をある程度把握しておき、可能であれば同季節の同時期で「昨年のこの時期」と「今」の抜け毛の量を比較できると、髪の状態をある程度正しく把握できます。ただし、これは通常容易なことではありません。ですので、次項に挙げるような形で「抜けた毛の状態」に着目して判断することが現実的な方法になります。
「危険な抜け毛」と「状態チェック」
細くて弱々しい毛は要注意!
「細くて弱々しい毛」が多く抜け毛に含まれている場合は、ヘアサイクルが乱れていることが考えられますので注意が必要です。元々、髪一本一本には寿命があり、正常なサイクルで髪が生え替わっている場合、各一本一本は2年から6年間ほど毛根につながっています。もちろんこの間誰しも髪を切りますが、寿命で抜け落ちる髪というのは、しっかりと長期間に渡り栄養を受けて育ってきた髪の毛ということが言えます。
つまり、抜け落ちた毛の中に、不自然に細く短く弱々しい毛が混じっている場合、その毛は本来の寿命を全うできずに、乱れたヘアサイクルにより抜け落ちた毛という判断ができます。
細くて弱々しい毛の判断は?
「細くて弱々しい毛が危険なのはわかったんだけど、抜けた毛が細いとかわかりにくいんだけど…」このような声も良く耳にします。このような場合は、「後頭部の毛」と「弱々しいかどうか判断のつかない毛」を比較してください。
後頭部は髪に悪影響を及ぼす「ジヒドロテストロン(DHT)」があまり生成されにくい部位です。つまり、後頭部から抜けている毛は基本的に寿命を全うした毛ということができます。この傾向を利用し、例えば「後頭部の毛」を一本抜き、「普段抜けている毛」とその質感や太さを比較すれば、ヘアサイクルの乱れが抜け毛を増やしているのか、おおよそのところが掴めます。
抜け毛が増えた原因をタイプ別に考える
生活環境の変化によるもの
一人暮らしを始めた
食生活での偏りを生んでしまいがちなのが一人暮らしです。特に進学に伴って親元から離れた場合、インスタント食品を摂取する機会が多くなることが懸念されます。また睡眠時間が不規則になり、正しく健康的な心身の回復が妨げられる場合も考えられます。昼夜逆転の生活などは、言うまでもなく髪に悪い影響をもたらします。このように、大幅な環境変化に伴ない急激に抜け毛の量が増えた場合は、規則正しい生活をすることで改善が見込めることが多いものです。それでも症状が深刻な場合は、専門医などに相談されると良いでしょう。
外回りからデスクワークになった
一見、仕事内容が軽くなったように感じる場合もありますが、これまで外を歩いて仕事をしていた人が急に屋内でデスクワークになった場合、大幅な運動不足や、肩こり、眼精疲労などを生じさせる場合があります。日常的に体を動かすことは、血流の巡りを良くし、正しく髪への栄養分を届けることにもつながります。このような場合は、意識的に「軽い運動」や「マッサージ」などを取り入れ、今の就業環境にうまくフィットさせるように心がけると良いでしょう。
ダイエットをしてから…
どのようなダイエットをするかにもよりますが、食生活に影響を当たるような「朝食抜き」、「食事制限」などは髪を育てる栄養分も奪ってしまいます。また、「過度な負荷をかけた運動」の場合は、疲労した筋肉などの修復に優先的に栄養分が供給されてしまいます。結果として髪がやせるだけでなく、抜け落ちる量も増えてしまうというリスクが高まります。何事も過度に急激に行なってしまっては悪影響が出ますので、うまくバランスをとりながら「適度なフィットネス」を心がけるようにしてください。
出産してからはどうも…
女性の場合、出産に伴って体質が変化することは多く知られているところです。このようなタイミングで急に抜け毛が増えたように感じる場合は、「びまん性脱毛症」という症状であることが考えられます。特定箇所で抜け毛が増えるというよりは、髪全体的に抜け毛が増え、髪も痩せて細くなってしまう症状です。これは「女性ホルモンの乱れ」によって起こっている場合が多く、産後ある程度時間が経過し、また日常的に軽い運動などができるようになってくると、比較的スムーズに症状が改善していきます。
年齢的な変化によるもの
定年退職
退職に伴い、自宅にいる時間が増え、人と話す時間や物事を考える時間も大幅に減った場合、抜け毛も増えてしまう場合があります。これは、食生活の変化、運動不足での血行不良、加齢によるやホルモン分泌量の低下など、様々な要因が複合的に絡まって起こるものです。
抜け毛が増えたのが退職したタイミングだというわけではなく、ただ定年後に抜け毛の量を意識する「時間的なゆとりができた」という場合もあります。このような60代前後での加齢に伴う抜け毛や薄毛は、通常「老人性脱毛症」として捉えられ、上述のように様々な要因が絡み合うことから、その症状を大幅に改善させるのは一般的に困難なものとされます。
更年期や閉経
女性に関しては閉経などにより体質が大きく変化する時期が必然的に訪れます。一般的に50歳前後がその時期とされますが、この前後5年間(45歳くらいから55歳くらい)は更年期とされ、ホルモンバランスが安定しづらい時期だとされます。女性ホルモンの分泌量が減ってしまうと、男性ホルモンの影響を受けやすくなることから、薄毛に陥ることも考えられます。
この時期の薄毛症状としては、女性が出産した後の一時的な薄毛症状と似たものがあり、全体的に髪が薄く細くなり、ボリュームが低下してしまうなどの症状が出ます。「びまん性脱毛症」と診断されたり、年齢により「老人性脱毛症」と判断される場合もあります。いずれの場合でも加齢を伴っているため、出産後の女性のように時間と共に症状が和らぐことはあまり期待できません。薄くなるのを少しでも食い止めるという方向でベストな治療法が選択されます。
薄毛やハゲは根っこの部分で「遺伝」が関係している
生活習慣は二次的なもの
薄毛が増えた原因をタイプ別にみてみましたが、薄毛になる理由の根っこの部分には「遺伝的な要因」が潜んでいます。特に加齢や出産などの体質変化に伴う薄毛でない場合は、AGA(男性型脱毛症)として扱うことも多く、生活習慣やストレスなどの要因を「二次的なもの」として考えていきます。
これが意味するところは、生活習慣の改善だけでは薄毛進行を食い止めるには不十分だということです。よって、AGA(男性型脱毛症)の改善法としては、多くのクリニックで「処方薬」を用いた治療が行なわれています。育毛剤などでは不十分な発毛効果を、お薬を内面から服用し取り込むことで、明確に症状を改善させていくことが期待できます。
「処方薬」と「生活習慣の改善」のダブルで対策!
現実的に効果が出せるのは処方薬(医学的見地)
処方される薬品としては「フィナステリド」や「ミノキシジル」が多くなります。これは医学的に効果があることが認められているということで、AGAの治療薬として活躍しています。
当クリニックでもこれらの処方薬を用いながら、各患者様にあった薄毛の改善法を、個々の生活習慣での注意事項と併せて提案させていただいております。本気で薄毛治療を目指す場合であれば、やはり生活面での配慮だけでは不十分ですので、当クリニックに足を運んでいただき、効果の高い治療法をご選択ください。