2019.9.2 知識
植毛は薄毛にとって有効手段?植毛について詳しく解説
薄毛やハゲの治療法(対処法)は、大きく分けて「かつら」を使用するもの、「植毛」するもの、そして当クリニックのように「AGA治療薬」を用いるものの3つが考えられます。このうち「かつら」については一般的にイメージしやすいですが、「植毛ってどうなの?」とお思いの方もおられるかもしれません。当クリニックでは「AGA治療」という立場で治療を行なっていますが、比較という観点もありますので、一般的な「植毛」について、その概要をご案内いたします。
植毛治療とは
植毛治療とは、自分の毛髪(主に後頭部のもの)か、もしくは人工的な毛髪(人工毛)を頭皮の透けたような箇所に外科的に移植するものです。
自分の髪を移植する場合(主流)
毛髪が残っている部分から取ることになりますので、基本的には薄毛になりにくい後頭部の蓬髪が使われます。よって、当然この箇所にも移植するに相当するだけの毛量が必要となります。また、自毛の移植は毛根付近の頭皮組織を含め、まるごと切り取って移植しますので、切り取った箇所にライン上の傷がでてきしまいます(長期的に見れば通常目立たなくなります)。
ただし、自毛ですので、拒絶反応のリスク回避につながります。
人工毛を移植する場合(アメリカでは法的に禁止)
自分の毛髪でなく人工毛を移植する場合には、後頭部にメスを入れて自分の毛髪を頭皮組織ごと切り取るようなことは必要なくなります。移植する箇所だけに配慮すればよくなりますので、相対的に手術負担は低くなります。希望の長さの毛髪を比較的短時間で、数百本単位で移植することが可能です。
ただし、自分の毛髪でないことから、身体には異物なものと認識され「拒絶反応」が出てしまう場合が多くなります(皮膚状態の悪化や膿)。また、せっかく移植しても抜け落ちていき「定期的に植えなおす」というメンテナンスも不可欠なものとなります(費用がかさみます)。
植毛治療のメリットとデメリット
一見、若かりし頃の理想の髪型を再実現できそうな「植毛治療」ですが、やはりデメリットも否定できません。ここでは簡単にメリットとデメリットをまとめてみます。
メリット
植毛治療であれば、外見的に明確な変化を遂げるとこができます。「かつら」のような取り付けの煩わしさがなく、自分の髪の毛として生活できるので、何より心が軽くより前向きな人生が歩めます。「自毛」を移植する場合、うまく頭皮に定着すればメンテナンスをする必要もなくなります(移植した毛が抜けた後でも、またその毛根から次の毛が自然に生えてきます)。
デメリット
外科的な手術になりますので、傷痕が残ります。身体への負担もさることながら、傷痕がある程度自然な治まりを見せるまで、帽子をかぶって過ごしたり、休暇を取るなどの調整が求められます。どうしても、一般的なAGA治療と比べて費用負担が大きくなります。また、手術が表面的にうまくいったように見えても、数ヶ月は経過しないことには、周りの髪と同じような生え方をしてくるかどうかを判断できません。「人工毛」移植による「拒絶反応」は非常にリスクの高いものとされ、アメリカでは人工毛の植毛手術自体が禁止されているほどです。
植毛治療とAGA治療、どちらを選ぶべきか
AGA治療では「失敗」は起こらない!?
「植毛治療」と「AGA治療」どちらを選択しても成功も失敗も、可能性としては完全には否定できないかもしれません。しかしながら、AGA治療の場合については、「失敗」という言葉はあまり適切な表現には当たらないと言えます。場合により「あまり効果がでなかった…」という感覚に至ってしまう可能性が少なからず残されているというのが正確な表現になります。
植毛治療では明確な「失敗」が起こりうる!
一方「植毛治療」の場合においては、外科手術として「失敗」と評価せざるを得ないケースが出てきます。例えば、「人工毛」を移植し拒絶反応を起こしてしまったために、どうすることもできず、再手術をせざるを得なくなったようなパターンです。後頭部の頭皮を切り取った上で失敗となってしまっては、精神的な負担はかなりのものになります。また「自毛植毛」をしたものの、半年ほどたっても通常の毛髪のように毛が成長できず、そのままの長さで留まってしまうような場合も起こり得ます。それでも皮膚の腫れは治まり、頭皮が綺麗に馴染んでいればまだ良いのですが、その時にどういう状態になっているかは十人十色と言えます。
リスクの大きさ:植毛治療>AGA治療
外科手術の術後に、あるいは数ヶ月後に、実際にどうなるかはわからない「植毛治療」は、成功した場合の喜びの大きさと引き換えに、大きなリスクを含んだ選択肢になるということが言えます。一方、AGA治療に関しては、長期的な展望で継続的に治療薬を服用し続ける必要はありますが(平均的には効果を感じるまで半年程度は必要とされます)、例えば1年2年経ってみて「やっぱりあまり…」とお感じになる場合は、止めることを決断することで「リセット」することができます。この点、リセットができない「植毛治療」とは大きく異なるところでしょう。
どうしても「植毛」を希望する場合は、専門医と良くご相談を
費用面においてもかなりのゆとりがあり、かつ大きなリスクをとってでも全面的に明確な違いを実現したい場合においては、植毛に携わる専門医の話にじっくりと耳を傾け、そのリスクの大きさを理解した上で、「植毛治療」を選択していただければと思います。
自分の力で髪を生やすならAGA治療薬
当クリニックとしましては、お薬で薄毛の進行を抑え、血行の促進を促すような方向で自力の発毛を促す「AGA治療」をお勧めしています。正式な臨床試験のデータ(AGA治療薬「プロペシア」を3年間投与した臨床試験)をとっても、98%の被験者においてAGAの進行が抑えられたというような報告もあります。
出典:製薬会社MSDのプロペシア錠 臨床成績 国内データ3年
“髪を生やす“と言う根本的な解決ならAGA治療!
「移植の馴染み具合」よりも「自らの力」を取り戻す
「移植した毛がうまく馴染むかどうか…」、このような心配をするよりは、元々自分が持っている「髪を生やす」という力を保護する方が現実的で賢い選択だと言えます。そもそも薄毛に至るのは、髪が生える機能が消えてしまったのが原因なのではなく、本来もっている髪を育てるシステムが、DHT(ジヒドロテストステロン)という悪玉化した男性ホルモンの影響でシステム障害を起こしているためです。
本来、髪の毛は2年から6年間成長し続ける!
本来、髪1本1本は2年から6年間抜けずに太く成長し続けるものです。ところが、DHT(ジヒドロテストステロン)の影響が及ぶと、通常持続的に成長していくはずの髪が、わずか数ヶ月から1年で成長期を終えてしまい、早期に離脱してしまいます。逆に言えば、このような髪の正常な成長を邪魔しているDHT(ジヒドロテストステロン)の生成を抑えることができれば、必然的に薄毛の進行はストップさせることができるのです。
DHTの生成は「フィナステリド」で抑制できる
DHT(ジヒドロテストステロン)という悪玉の男性ホルモンは、額や頭頂部分の毛根奥で生成される還元酵素「Ⅱ型5αリアクターゼ」と、善玉の男性ホルモン「テストステロン」とが結びついて作り出されます。この還元酵素「Ⅱ型5αリアクターゼ」がどれだけ生成されるかは、その人の遺伝的な体質によっても変わってきます。それでも「フィナステリド」を服用することで、還元酵素「Ⅱ型5αリアクターゼ」と「テストステロン」が結びつくの抑えることができます。これは医学的な根拠に基づいた事実です。つまり「フィナステリド」を継続的に服用いただければ、髪を脱毛させるDHTが増えにくくなることから、髪1本1本は正常なヘアサイクルを取り戻していくというわけです。
植毛より低リスクのAGA治療は、当クリニックでご相談を!
薄毛でお悩みの方にとって、現実的にどのように対処するかは深刻な問題です。薬局やインターネットのページには、身近で手軽な「育毛剤」のメリットを謳うものもありますが、薄毛になるメカニズムを考えれば、それらを塗布することで得られる効果はやはり限られていると言わざると得ません。
「少しでもマシになってくれればラッキー」程度の感覚で手に取る分には問題ありませんが、実際に効果を期待するのであれば、現実的な手段を講じるべきだというのが当クリニックの考えるところです。
当記事では「植毛」という選択肢についてお伝えしました。当院では、現実的でリスク面でもバランスの取れた薄毛対処法、それが「AGA治療」と考えています。豊富な実績と経験を兼ね備えた私たちは、個々の患者様の生活環境の改善も含めてサポートさせていただきます。どうぞ、お気軽に当クリニックにご相談ください。