2019.9.11 女性
女性の薄毛悩み【生え際編】薄毛が目立ってくる7つの原因
女性の薄毛お悩みに関して、「生え際の後退」が気になるという女性がおられます。生え際の後退と言っても男性のような明確なM字ハゲとは異なり、以前と比較して生え際部分が薄くなってきたというレベルの少し穏やかな症状になっています。女性の生え際の後退にはどのような原因があるのか、当コラムをご覧いただき対策をお立てください。
女性の薄毛 生え際後退の7要因
女性の髪で「生え際の薄毛化」を助長するものは主に7つあります。比較的生活に密着するものが多く、意識の持ち方次第で改善できるものがいくつもあります。では、一つずつ詳しく見ていきましょう。
原因1.女性ホルモンの分泌量による影響
女性は月経リズムに沿って日々女性ホルモンの分泌量が変化しています。不規則な生活を送っているとホルモンバランスの乱れが起こり、これが慢性化してくると抜け毛の量が増えてしまうケースがあります。髪の毛は「そこにあって当たり前」というものではなく、ホルモンバランスや栄養供給などによって維持されているものです。
不規則な生活習慣に因る「ホルモンバランスの乱れ」には十分注意しましょう。「女性ホルモンの分泌量の変化が髪の毛に影響を与える」という事実については、妊娠と出産を通して知ることもできます。
産後の抜け毛
女性の薄毛(抜け毛)で最も有名なのは「産後の抜け毛」だと思います。女性は妊娠すると、出産までの間に女性ホルモンの分泌量が大きく変化します。
※普段の月経時と比較にならないくらいエストロゲン(卵胞ホルモン)やプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌量が増加します。
エストロゲン(卵胞ホルモン)は毛髪の維持にも寄与するため、妊娠中はヘアサイクル上で「本来抜け落ちても良いはずの毛が抜けずに維持される…」といった影響が生じます。この関係で妊娠中に体毛が濃くなるような変化を感じるケースもありますが、出産を終えると今度は急激に女性ホルモンの分泌量が減少します。妊娠前に戻ろうとする自然な動きなので特に問題ないのですが、この際の女性ホルモンの減少(落差)によって一気に抜け毛の量が増えてしまうといった影響が出る場合が多いのです。
もちろん、これは一時的なもので女性ホルモンの安定と共に抜け毛の量も落ち着いていきます。ただし、ママになることで生活リズムに変化が生じますので、そちらの方でシングルライフのような「髪へのいたわり」が相対的に減ってしまい、以前のようなハリや艶がなくなってくるという流れに陥りやすくなっています。
加齢の影響は必ず出る…
若いころは少しくらい不規則な生活を送っていても髪のハリや艶は概ね健康的に維持されます。ところが、女性ホルモンの分泌量がピークを迎える20代後半から30代半ばぐらいになると、無茶な生活を送っていなくても少しずつ髪にハリやコシがなくなっていき、髪のボリュームが衰えたり生え際の後退が起こります。
女性ホルモンの減少による影響は加齢とともに必ず生じてしまうものなので、年を追うごとに「健康的な生活+αのケア」が必要になっていくと言えるでしょう。
原因2.ヘアスタイルによる髪の引っ張り
髪をアップしたりポニーテールのような髪型にして、髪の毛の流れとは逆方向で固定して縛るのは毛髪にとって大きな負担になります。職業的に前髪を上げることが義務付けられていたり、自分の好みによって常に髪をアップにして固定するようなケースも考えられますが、日々頭皮への負担が蓄積していくとやはり髪は抜けやすくなってしまいます。
いつも同じ髪型は危険!?
もう引退してしまったAKB48の高橋みなみさんは、現役時代にハーフアップで髪型を固定していましたが、後に「若干(生え際が)後退していったり、危うくハゲそうになった時期もあった…」と打ち明けています。毎日同じ箇所で分けている場合に分け目が薄くなってくるようなケースもありますが、毛髪の自然な流れに逆らった癖付けや固定は、頭皮へのダメージと共に発毛力へのマイナス要因となりますので注意しましょう。
原因3.カラーやパーマによるダメージ
オシャレを求めるあまり、定期的に髪の色を替えたり、パーマをあてるという習慣を持っている女性は少なくないと思います。ですが、言うまでもなくカラーやパーマは髪にとって良くありません。特に元々皮膚が弱い女性の場合、薬剤によって目立たない程度の細かな炎症が生じてしまうケースがあります。
結果的に1週間程度で完全復帰できているように見える頭皮環境であっても、それを繰り返すことで髪や頭皮へのダメージが蓄積していき、特に生え際などで抜け毛を促してしまう可能性があります。若いときほどオシャレやファッションに強い関心をお持ちだと思いますが、可能であれば「薬剤を介した頻繁なヘアアレンジ」はしないほうが良いでしょう。
原因4.肌質に合わないシャンプーやリンス
一般的なシャンプーやリンスに含まれている「界面活性剤」は、頭皮の汚れをキレイに落としてくれる反面、必要な皮脂分まで奪い去ってしまうという側面もあります。界面活性剤の作用によって泡立ちが良くなり、すっきりとした洗いあがりを感じることができますが、人によってはシャンプーの度に頭皮の乾燥が促されてしまうケースもあります。シャンプー後に頭皮が妙にカサついていると感じる場合は、肌質にあっていない可能性もありますので天然由来のものに変えてみると良いかもしれません。
1日2回のシャンプーは危険?
1日に複数回シャンプーする場合は、特にシャンプー剤の種類に注意してください。もともと一般的なシャンプー剤では界面活性剤の作用が強く出過ぎてしまう傾向があり、複数回シャンプーをしていると常に頭皮が乾燥してしまいがちです。
頭皮環境で皮脂不足が続くと、今度は皮脂が過剰分泌されて不足分が補われていくわけですが、これによって「乾燥肌→オイリー肌→乾燥肌…」という悪循環になってしまい、髪の育ちにくい土壌ができあがってしまいます。肌に優しいシャンプーを使う場合にも、1日に複数回のシャンプーは望ましくありませんので、朝はシャンプー剤を使用しない「湯シャン」にするなど、頭皮環境を守るようなケアを心掛けてください。
原因5.睡眠習慣の乱れ
睡眠は、毛髪の成長にとって欠かせないものとなっています。寝不足や不規則な睡眠習慣で問題になるのは、睡眠中に分泌されるはずの「成長ホルモン」が分泌されにくくなるという影響です。一般的には「良く寝ることが大切」だと思われていますが、実は「睡眠時間の多さ」というよりも、「睡眠の質」の方が重要だとわかってきています。
というのも、睡眠中に分泌される「成長ホルモン」は脳波を測定した際の睡眠ステージが最も深い層にあるときに多くなるという結果が報告されているからです。(厳密には「徐波睡眠」と呼ばれる深い眠りの層で成長ホルモンの分泌量が多くなります)。
眠り初めの3時間が重要!
成長ホルモンが多く分泌される「深い眠りの層」については、入眠直後ほど到達しやすくなっています。傾向として、90分間程度の間に「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」をワンセットで繰り返すのが通常ですが、深い眠りの層に到達する割合は睡眠時間の経過とともに徐々に少なくなっていきます(徐々に浅い眠りのレム睡眠が多くなっていきます)。
最初の2ターンくらいの間に脳波が最も深い層に到達するため、成長ホルモンの分泌量は概ね最初の3時間くらいの間に偏るという結果が出ています。このため、眠り始めたタイミングで直ぐに邪魔が入って起こされてしまったり、光や物音などでストレスを感じながら寝入る環境にあると、相対的にうまく成長ホルモンを分泌できなくなってしまいます。成長ホルモンは、「体の成長」や「皮膚の修復」だけでなく「髪の成長」にも関与するものですので、睡眠環境を整えて成長ホルモンの分泌を促せるように心がけましょう。
原因6.運動不足(頭皮の血行不良)
運動不足が頭皮に良くないのは、頭皮の血行不良を促す可能性があるためです。毛髪1本1本が栄養供給を受けるルートは「頭皮の毛細血管」に他なりませんので、血流が悪くなると必然的に髪が痩せ細るといった影響を生じます。シャンプーの際に頭皮をマッサージするようにして髪を洗ったり、日常的に軽い運動を取り入れるなどして代謝や循環機能を高めるようにしましょう。血流の滞りは美容全般での黄信号ですので、運動不足にはご注意ください。
原因7.食生活の偏りやダイエット
食生活の偏りや無理なダイエットは、髪の成長にマイナスとなります。髪は「ケラチン」と呼ばれるタンパク質でできており、肉や魚などのタンパク質から取り込んだ18種類のアミノ酸を再合成することでケラチンが作り出されています。この際には、「ミネラル(亜鉛)」という栄養素も必要になるため、健康な髪を維持するためにはミネラル(亜鉛)を確保することも大切になります。
髪の三大栄養素としても、「タンパク質」と「ビタミン」と「ミネラル(亜鉛)」が挙げられ、ミネラル(亜鉛)の重要性が確認できます。また、「ビタミン」については、ビタミンB群、ビオチン、ビタミンE、ビタミンAなどが髪にとって良いとされます。
髪に良い意識したい食材
- 動物性タンパク質:肉、魚、卵、乳製品など
- 植物性タンパク質:大豆や納豆、豆腐など
- ビタミンB群:玄米、豚肉、レバー、うなぎなど
- ビオチン:卵、ナッツなど
- ビタミンE:魚、アーモンド、落花生、大豆など
- ビタミンA:ほうれん草、にんじん、焼き鳥レバー、かぼちゃなど
- ミネラル(亜鉛):生ガキ、チーズ、豚レバー、たらこ、海苔など
常にバランスの良い食事を摂ることは難しいケースもありますが、無理なダイエットなどで必要な栄養素が足りていないと本来育つべき髪も育たなくなってしまいますので注意しましょう。
特に女性ホルモンの減少影響についてはクリニックでの治療が効果的!
頭髪の薄毛化は、生活習慣を見直すことで改善できるケースもありますが、一方で加齢のような女性ホルモンの減少影響については個人レベルではなかなか対策できるものではありません。
女性特有の薄毛を緩和するなら内服治療
当院では、女性特有の「女性男性型脱毛症(FAGA)」や「びまん性脱毛症」といった薄毛症状に対し、医学的に有効なお薬をご用意しています。女性ホルモンの減少による影響は女性ならどなたでも生じるものになりますので、是非お気軽にご相談をお寄せください。随時「無料カウンセリング」にて対応いたします。スタッフ一同皆さまのお越しをお待ちしています。