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円形脱毛症の特徴!10円ハゲが他の脱毛症とは異なる点を解説

脱毛症

「10円ハゲ」と揶揄されることもある円形脱毛症は、他の脱毛症とは異なった特徴がございます。「あれ、やっぱり最近薄くなってきた…」という心配と、「え!?これって円形脱毛症??」との間には専門家でなくても比較的わかりやすい見極めポイントがあります。ご不安な方はぜひ当コラムでご確認ください。近年の研究では、ストレス以外にも遺伝的要因が関与している可能性も指摘されています。


10円ハゲは実は1つだけできるとは限らない…

10円ハゲ

出典) 公益社団法人 日本皮膚科学会

10円ハゲと聞くと、後頭部辺りにぽつんと一つ脱毛斑ができるイメージがあると思いますが、実は2つ3つできてしまうことはそれほど珍しくありません。症状が重い場合には脱毛斑が連なって蛇行してしまうようなケースもあり、この場合には普段私たちがイメージしている「円形脱毛症」とは異なった様相を呈します。


「単発型(単発性通常型)」なら1年以内の完治が多いが油断は禁物

円形脱毛症を患う人の多くは「単発型(単発性通常型)」と言われるもので、1年以内の完治が多くなっています。「多発型(多発性通常型)」のように脱毛斑が複数個生じてしまうケースだと完治まで2年程度かかることもあり、脱毛斑が蛇行して広がってしまう「蛇行型」では治療期間もかなり長くなってしまいます。また、ごく稀に「全頭型(全頭・全身型)」のように頭髪が全て抜け落ちてしまうケースもあります(基本的に脱毛面積が広くなるほど治療期間が長く完治も難しくなります)。


早めに専門医にご相談を!

初めて円形脱毛症を患った際は、脱毛斑が一つだけの「単発型」であっても当院のような専門医を受診することをおススメします。円形脱毛症が生じてしまった背景事情を明確に特定することは容易ではありませんが、専門家のアドバイスを受けて生活の中で気を付けたいポイントなどをお伝えすることができます。「単発型だから放置しても大丈夫」と過信していると「多発型」などへ発展してしまう可能性もないとは言えませんので、重症化リスクを最大限回避するようにご相談いただくことが肝要です。


円形脱毛症の基礎データ

円形脱毛症の基礎データとして、人口比率や年齢、性別分布について見てみましょう。


日本の全人口の1~2%が円形脱毛症患者(100人中1、2人程度)

円形脱毛症にかかる患者さまの数は、人口比で見た場合1~2%程度と言われています。国籍や人種の偏りなどはあまり指摘されておらず、日本人の場合もアメリカ人の場合も概ね100人に1~2人程度になっています。


円形脱毛症患者の男女比と年齢分布

グラフ

出典) 公益社団法人 日本皮膚科学会 「円形脱毛症の性・年齢分布(新潟大)」

性別的な偏りについては、上記データを見る限り「女性の方が多い」と捉えられなくもないです。しかしながら、病院利用者はそもそも女性の方が多いという報告もありますので、この差はあまり明確な傾向とは言えないかもしれません。男性であっても女性であっても概ね同程度の発症リスクがあると考えておくほうが無難です。


年少者の方が幾分発症しやすい

年齢については、「未成年の子どもは少し発症リスクが高い」と考えても良さそうです。上記グラフで見た場合、434人中110人が15歳以下ということになりますので、計算上25%程度を占めていると言えます。ただし、大人になれば発症しないと言い切れるようなデータではないため、基本的にはいつ誰にでも生じ得るものだと整理しておくべきでしょう。


「円形脱毛症」は他の脱毛症と比べて特徴的

ポイント

「円形脱毛症」は、他の脱毛症と比較した場合明らかに異なる特徴を有しています。一言で言うなら、「脱毛斑が急速に明確に形成される」という点がポイントになります。


「男性型脱毛症(AGA)」との違い

円形脱毛症では、部分的にその箇所の毛髪が完全に抜け落ちます。たとえば男性型脱毛症(AGA)の場合には、「薄毛」という状態から「無毛」へのゆるやかな進行過程がございますが(側頭部や後頭部は除く)、円形脱毛症の場合には何かしらの要因によって急激に毛髪の一部分が「無毛状態」に至ります。

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円形脱毛症の場合は、地肌が完全に露出する脱毛斑が短期間で形成される
(じわじわと円形のハゲが作られていくようなものではない)


「女性男性脱毛症(FAGA)」との違い

女性の脱毛症としては、「女性男性型脱毛症(FAGA)」や「びまん性脱毛症」が有名です(両者は基本的に同じものです)。全体的な髪のボリュームダウンや分け目箇所で地肌の露出が顕著になるもので、この場合に「部分的な円形脱毛症」を疑われるケースもございます。

しかしながら、円形脱毛症の場合には脱毛斑と境目部分とがはっきりと分かれます。一方の「女性男性型脱毛症(FAGA)」の場合には、分け目そのものと周囲との境目が少なからずまだらになります。また、前述したように短期間で急速にできてしまうのが「円形脱毛症」になりますので、「女性男性型脱毛症(FAGA)」との違いはその辺りで判断することができます。

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円形脱毛症の場合は、脱毛箇所とその周辺の境界線がはっきりとしている
(抜けた箇所と生えている箇所の境界線がまだらになることはない)


「抜毛症」との違い

抜毛症とは、時に学齢期の女児などに見られやすいもので、自分で自分の髪を引き抜いてしまう脱毛癖になります。場合により家族の前でも隠しているケースがあり、初期段階では母親が「円形脱毛症」を心配してご相談に来られることもあります。

ただし、自分で抜いてしまっている抜毛症の場合には脱毛班のように映る箇所に「抜け切れていない髪の毛」や「途中でちぎれている短い毛」を確認することができるのが一般的です。円形脱毛症のようにくっきりとキレイな脱毛斑にはなりませんので、丁寧に脱毛箇所を捉えるとその違いを確認することが可能です。

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円形脱毛症の場合は、脱毛斑はキレイに形成される
(脱毛班の内部で細かな細い毛が残るようなことはない)


「脂漏性脱毛症」との違い

脂漏性脱毛症とは、「脂漏性皮膚炎」の延長上にある症状です。皮脂の過剰分泌によって頭皮上で炎症が起こり、皮脂の固まりが細かなフケのようになって落ちるものです。かゆみを伴うために触ってしまうことが多く、治りにくく再発しやすいものとなっています。

脂漏性皮膚炎が慢性化してくると、この影響によって頭皮に皮脂が詰まりやすくなってしまい、部分的に髪が育ちにくくなってしまうケースがあります。この症状が顕著になったものが「脂漏性脱毛症」とよばれる脱毛症状ですが、この場合には患部が炎症を起こしているために赤みを帯びているという特徴があります。

一方の円形脱毛症については、炎症や痒みなどがないため、脱毛斑の中に確認できる頭皮の色味としては青白いものとなります。鏡に映るケースだと本人もすぐに気づきますが、後頭部にできた際には自覚しにくいため他人に指摘されてはじめて気付くケースもあります。

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円形脱毛症には炎症や痒みがないので、脱毛斑の中の頭皮は青白いのが一般的である
(後頭部に円形脱毛症ができた場合、本人としては自覚しにくいケースもある)


円形脱毛症のメカニズム:リンパ球の攻撃はなぜ起こる?

メカニズム

円形脱毛症の起こるメカニズムは、白血球の一部である「リンパ球」」が成長期の毛包を攻撃対象とみなしてしまうものです。白血球というと体内にウィルスや異物が入ってきた際にそれを攻撃して防衛する機能(免疫機能)になりますが、円形脱毛症の場合には「自己免疫疾患」のような形で自分の毛髪に攻撃を加えてしまうために脱毛斑が生じます(リンパ球の攻撃が止めば髪はまた生えてきます)。

しかしながら、「リンパ球が自分の頭髪をどうして攻撃してしまうのか?」についてはまだ完全にはわかっていません。現在では以下のような理由で「遺伝的な要素が影響しているのでは?」と考えられ始めています。

円形脱毛症と遺伝傾向を疑わせる要因

  • 血縁として家族の中に円形脱毛症の既往歴がある場合は、多少発症率が高くなる傾向がある
  • 円形脱毛症患者の4割以上でアトピー性疾患が認められたという報告もある

「アトピー性皮膚炎」も免疫機能の一部が変化して引き起こされる症状です。アトピー性疾患と共起しやすいということであれば、やはり何らかのアレルギー性の遺伝傾向が関与している可能性が疑われます。


円形脱毛症は強いストレスが原因ではないの??

「リンパ球による毛包への攻撃」が円形脱毛症を生じさせている内部的なメカニズムになりますが、毛包への攻撃のきっかけについては「強いストレス」である可能性も否定できません。前述の遺伝的傾向については、ベースとして「元々発症しやすい人がいる」というものです。

家族に円形脱毛症の既往歴のある者がいない場合にはリスクがないと言い切れるものではなく、そのような家系にあっても一時的な強いストレスで円形脱毛症を患ってしまう可能性は十分にあります。ある種の「免疫機能の暴走」がどのような経緯で始まるのかについては分析が難しいものとなっているため、やはり自己判断せずにその道の専門家に尋ねるのが賢明です。


「円形脱毛症」の治療は当院へご相談を!

当院では、「男性型脱毛症(AGA)」や「女性男性型脱毛症(FAGA)」以外にも、「円形脱毛症」の治療も実施しています。経験豊富な医師が患者さまの症状を診察したうえで適切なアドバイスをさせていただきますので、どうぞお気軽にご来院ください。

治療前のご相談については、「無料カウンセリング」の中で対応させていただきます。ご希望の患者さまは「無料カウンセリング予約」のリンクへとお進みください。皆さまのご来院をお待ちしております。