ザガーロとは？
ザガーロ（一般名デュタステリド）は2015年9月に厚生労働省に承認された、AGA（男性型脱毛症）の新薬です。製造元はグラクソスミスクライン（GSK)です。2016年6月には日本国内で販売開始されています。今までのAGAの内服薬といえば、フィナステリド（プロペシア）やミノキシジルが有名でしたが、これらに加えてザガーロも使えるようになりました。
ザガーロの成分はもともとは前立腺肥大に適応があり、AGAにも効能があることがわかりました。ザガーロにはカプセル0.1mgとカプセル0.5mgの2種類があります。AGAの治療薬で有名はプロペシアと同じで5α還元酵素阻害薬に分類されます。ザガーロはⅠ型とⅡ型、両方の5αリダクターゼを阻害することが出来るので、今までの内服薬よりもより高い効果を期待することが出来る薬です。
女性（特に妊婦や産婦や授乳中）、20歳以下の子供、重症な肝障害のある人には処方することが出来ませんので注意が必要です。通常のカプセルの状態であれば問題はありませんが、中身がこぼれてそれに触ってしまうと皮膚からも成分が体内に入ってしまうので注意が必要です。
ザガーロの効果とは？
ザガーロは脱毛部位に太く長い毛の本数が増える効果があり、国内はもちろん海外の臨床試験でもきちんとした結果が認められています。20歳から50歳のAGAの男性を対象とした臨床試験の結果、頭頂部の非柔毛の毛髪数の増加が見られました。AGA治療薬の臨床試験の際は、確実に数えられる毛髪が増えることを発毛と言います。髪の太さにも効果が認められていて、頭頂部と前頭部のいずれにもAGAの改善効果が確認されています。
一般的には投与を始めてから効果が出るまで、個人差はあるものの半年間ほどかかります。半年間、服用を続けても改善効果がみられない場合、投与は医師の判断で中止となります。引き続き服用する場合、医師に確認して続けるかやめるかを検討する必要があります。効果の現れ方には個人差があるので、人によっては3ヶ月程度で効果を実感できる人もいます。
ザガーロとプロぺシアはどう違うの？
ザガーロもプロペシアも5α還元酵素阻害薬に分類される薬です。プロペシアと比較すると、AGAの原因物質であるジヒドロテストステロン（DHT）の抑制効果がより高く、その結果としてAGAの改善に対して効能が向上しています。男性のAGAを対象にザガーロの有効性とプロペシアの有効性を比較した試験結果は、ザガーロ0.1mgとフィナステリド1.0mgがほぼ同等の発育効果があります。フィナステリドに比べて、発毛効果や育毛効果が1.6倍程度改善しています。
薄毛の原因はDHTというホルモンが原因で、男性ホルモンであるテストステロンと頭皮に多く存在している還元酵素の5αリダクターゼと結合して発生します。この5αリダクターゼには、Ⅰ型とⅡ型があって、今までのプロペシアはこのうちのⅡ型に作用しますが、ザガーロの主成分のデュタステリドはⅠ型とⅡ型の両方に作用します。
ザガーロの利用方法としては、プロペシアを使用している人でその効能に満足のいかない人への、セカンドチョイスとして利用することが多いです。
ザガーロの副作用は？
- 勃起不全（4.3%）
- 性欲の減退（3.9%）
- 精液の量の減少（1.3%）
- 乳房の女性化や乳頭痛、乳房の不快感（1%）など
処方されたら医師の指示に従って、用法や容量を正しく守って服用することが大切です。万が一、副作用とみられるものが現れたらすぐに医師に相談をするようにしましょう。
ザガーロを服用する時の注意点
ザガーロを服用する際の飲み方は1日1回水で経口投与となります。カプセルを噛んでしまうと口の中や喉の粘膜を刺激することがあるので噛まずに飲み込みます。飲むタイミングとしては食前や食後は関係ないので、服用を忘れないタイミングを習慣化することが大切です。
ザガーロは男性のAGAに適応がありますが、円形脱毛症やびまん性脱毛、抗がん剤による脱毛に対する効果はありませんので注意が必要です。ザガーロの服用中は輸血を行うことが出来ません。輸血や献血をする場合、服用を中止してから少なくとも一ヶ月以上の間隔をあける必要があります。女性、子供、未成年者は服用対象外となります。
AGA治療薬の処方は専門の医師にご相談ください
AGA治療薬は医療機関を受診し、医師の指示のもとで正しく服用することが求められます。自分で輸入して病院で処方されるよりも安い値段で手に入れることも可能ではありますが、万が一のことを考えて服用期間中は献血や輸血ができないというリスクもあることから、医療機関で処方してもらいましょう。とくに持病のある人は必ず医師の指示を仰ぐようにしてください。